親不知が痛い

後ろめたさを紛らわすかのような電話とわたしの帰りを待つその姿にいつも一人苦笑いする。




こっちのことなんかほっといてもっと好き勝手にやってくれたら、中途半端な優しさなんて持たなかったかもしれない。嫌悪感なんて抱かなかったかもしれない。わたしは昔から嘘を吐くのが上手いからポーカーフェイスも得意だけれど推し留めた感情の処理の仕方はどうも苦手だ。すっと受け入れてそのままきれいに消化できればいいのに。心配そうな顔も笑顔も見せるけどほんとはお腹ん中はイライラしたりムカムカしたりキリキリしたりしてるんだよ。この馴れ合いから生まれてくるものはなんだろう。手放しで幸せを願えるほど、わたしはまだ大人じゃないみたいだ。