世界が君の為に回ればいいなんて

15才、高校1年生の頃、もっといろんなことに慣れていたらなぁなんて今になってよく思う。笑わせたり、手をつないだり、キスをしたり。遠くから眺めてるだけでほんのちょっと先にいるだけで、どうしようもなく心臓がどきどきしてわたしは何にも出来なかったんだ。あの人はたくさんのものを与えてくれたのにね。忙しなくあっという間に過ぎていく時の中でもやっぱり、思い出す。やっぱり、それは時間を止める。あまり高くない背ときれいな白い肌と優しい匂いとあったかい笑顔と。たまにふとした瞬間に鼻の奥がつーんってしておかしな気持ちになるよ。後悔かな、懐かしさかな、それとも寂しさかな。なんて名前だっただろう『偶然にすれちがいたい』なんて歌うバンドが何年か前にいたなあ。もうすれ違うことなんて絶対にないんだけどもし偶然にすれちがったりしたらどうなるかな。もしかしたらわたしは気付かないふりとかするかもしれない。だってきっとあの時と同じで上手く喋れないもん。それともわたしは昔より大人になっていて上手く笑って上手く喋って、伝えたいこと全部話せたりするんだろうか。


…あー、、、会いたい。会いたい。会いたい。会いたくないけど、会いたい。


世界があなたのために回っていたら良かった。